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その男、今朝、家を出るときの話し、
「アンタさあ、もう、私たち終わりだからさあ、
精根尽き果ててさあ〜」
「夢も希望も金も全て食い尽くしてしまったんだよ〜
アンタはさあ〜」「分かるかい? 聞いてんのかい?」
「どうしようも無いのさ、」「アタシは、今夜の便で、
田舎に帰るからさ〜」「あんた、会社に行きな〜、
大好きなんだろ〜、達者でな、アバヨ、」
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一言も返せないまま、男は、追い出されてしまった・・・
アッケナイもんだ、
この店は別名、「最後のとばり」とも言う・・・
ようやくタバコに火を付けた・・・男・・・
そのとばりも完全に降ろされ、今夜は月さえも出てない、
むっとした空気があたりを包み、
じんわりとした汗は、
ネクタイまでしみ込んでいった・・・
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